
麻雀の源流であるマーチャオから発展したシャンシーチーパイは、麻雀との類似性をかなり有していました。しかし相違点は明確で、風牌も三元牌もありませんでした。根本的な違いを挙げるならば、麻雀が骨牌であったのに対して、シャンシーチーパイはカードゲームでした。つまり紙牌だったわけですが、この紙牌が骨牌と融合する過程が重要だったのです。
融合時期は19世紀中頃とされており、その融合を大きく前進させる契機となったのが、いわゆる太平天国の乱でした。この戦乱中、兵士はゲームで気を紛らわせることに熱中したのです。戦乱中は全土から兵士が集まるため、地方ごとに異なる紙札ゲーム、骨牌ゲームが集合することになりました。
ルールが異なれば皆で遊ぶことが出来ませんから、これらのゲームが融合するのも時間の問題だったというわけです。麻雀は戦争によって成立したといっても過言ではないのです。麻雀の発祥地については様々な説があるものの、寧波が有力視されています。因みに太平天国の乱で重要な地域とされていたのは南京でしたから、この説には説得力があります。中国には現代でも多くの牌ゲームが存在しますから、麻雀と言える条件を考えなければなりません。難しい問題ですが、一つには風牌が存在していること、二つには三元牌が存在していること、三つには骨牌が用いられること、四つには一種四枚であること、そして五つには四種類の牌であることが挙げられます。
麻雀以外のゲームとして、三元牌を思わせるもの、一種四枚のものがそれぞれ存在しますが、両者が同時に存立しているゲームは数が限られています。麻雀は正に多くのゲームの融合形態なのであり、その意味では唯一無二のゲームと言ってよいでしょう。
現代ではこの唯一無二のゲームも全自動麻雀卓が発展したおかげで、より簡単に楽しむことが出来るようになりました。手ぶらで寄って気軽に楽しめる麻雀はこの先も発展し続けることかと思います。
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