
皆さんが日本史の教科書や美術の教科書で眺めた「浮世絵」は、「美人画」として知られる女性を題材にしたものと、「風景画」と言われる風景を描く作品におおまかに分類されています。どちらも多くの日本人が見慣れている作風であると思われます。その他には、役者などが描かれた作品が数多く現代にもその存在が知られておりますが、どれも独特の色彩と線描写が見る者を引き付けております。海外では西洋画のように額縁に入れられお部屋のインテリアの1アイテムとして、人々の生活の中に順応して溶け込んでいる様子をみかけることがあります。浮世絵が好きな方はこれを機に浮世絵と合う額装を探してみるのはいかがでしょう?浮世絵は日本の江戸の町で独自の文化として庶民の娯楽であり美術作品でありましたが、海外の人々の暮らしの中でも独特の光を放ちながら異文化のなかにも自然に溶け込んでいるように感じます。江戸の町で人気を博した浮世絵は、当時の最先端の情報や流行を庶民に伝えた言わば、現代のSNS情報のような存在であったのかもしれません。人々は浮世絵から得られる情報に飛びつくように興味をもって接触していたようです。現代においてもSNSは、人々の風刺をあぶり出しているようにも感じますが、浮世絵にも当時の人間模様としての欲望や人々の興味の根源を映し出している鏡のようにも捉えることができます。浮世絵が江戸の町で流行した要因の1つには、当時のヒエラルキィーの中で特権階級だけが手に入れることが出来る高価なサービスではなく、庶民などの誰しもが気軽に手に入れることが可能であり、社会の階級に縛られない娯楽であったことが重要なポイントであったようです。現代のSNSやアプリサービスの普及の背景にも同様の要素を感じます。
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